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106日目:ライブ本番で演奏のテンポが早くなる理由とは?
ハルさん、この前のライブで最後の曲、めっちゃ走っていませんでしたか?
走っていたね。
ドラムのロッキン伯爵さんはいつも最後の方になるとどんどん走ってナンボなところがあるよね。
でもなんでライブ本番って演奏のテンポが早くなるのでしょうか?
他のバンド見ていても、早くなることはあっても遅くなることはあまりないですよね?
そうだね。
では今回はライブ本番で演奏のテンポは速くなってしまう理由を考えてみようか。
今回は根拠に基づいた話というよりかは自分の経験を基に考えている理由であるから、意見の一つとして参考という形で捉えてほしい。
心臓の鼓動が早くなるから
個人的に考える一番大きな理由というのは、心臓の鼓動が早くなるからだと思う。
人が無意識に常に刻んでいる心臓の鼓動。
それが自分のリズム感の中に根底として根付いているのではないだろうか。
ライブというのは演奏者は基本的に感情が高ぶり、興奮してしまうもの。
それにより心拍数が上がってしまうことで、体内のリズム感が狂ってしまい、演奏が早くなってしまうのだろう。
だから、ライブというのは早くなることはあっても、遅くなってしまうことはほとんどない理由でもある。
なるほど。
確かにライブの時は心臓がバックンバックンしている気がします。
でもどうしてライブ本番は心拍数が上がって興奮状態になってしまうのでしょうか。
理由その1:人前で演奏するという快感・一体感
一つ目の理由としては、ライブ演奏者はステージ上の主役だから。
バンドやライブをやりたいというバンドマンである以上、その多くはより多くの人により深く注目されたいという承認欲求を強く持っているもの。
だからこそ、たくさんのお客さんの前で視線を一身に浴びて音楽を演奏することに対して大きな快感・高揚感がある。
それによってよりライブに入り込んで興奮してしまい、リズムが早くなるのではないだろうか。
なるほど!
あとはお客さんと自分達という立場は違うけど同じ空間で音楽を共有しているという一体感・ノリというのもある。
それが嬉しくてよりテンションが上がっていってしまうというのもあると思う。
理由その2:実際に体を動かしている
あとはライブで演奏するということは実際に体を動かしているということでもある。
誰だってスポーツすれば呼吸が荒くなり、汗をかき、心拍数が増える。
バンドでの演奏というのもそれに近いものがある。
リハーサルでも同じように演奏しているのだけれど、ノッて練習よりも激しく体を動かしていることが多いだろう。
また、ライブハウスのステージ上の照明は熱いことも要因だ。
それによってフィジカル面においても興奮状態になることでリズムが早くなりやすい。
理由その3:緊張している
また、ライブ中は人によって差はあるけど、緊張しているものだよね。
はい。
私なんか心臓ドッキドキですよ。
緊張することで気分が高ぶったり、不安からくる焦りから、普段と同様のペースで音や拍を待つことが出来なくなることが多い。
特に遅い曲ではその傾向が顕著ではないかな。
リズムが早くなるのは悪いこと?
それにしてもライブ本番でリズムが早くなることは悪いことなんでしょうか?
テンポが早い方がノリとか疾走感とかがより強調されてライブという空間では逆に良いかも・・・って思います。
それについては、いろいろと考え方があるから正解というのはないのかもしれない。
だけど、コントロールして意図的に本番でテンポを上げているのでなければ、個人的には良いことではないと思う。
やはり練習で準備してきたことをやり切るというのが、ベターというもの。
もちろん、ライブの状況においてはイレギュラーなことにも臨機応変に対応しなくてはならないけど、そのイレギュラーな状況を自分達で作り出してしまうことは避けるべきだと思うよ。
演奏が早くなることの影響
リズムが早くなってしまうことによる、演奏への影響はありますか?
演奏が早くなるということは、練習でやってきたバランスが崩れるということでもある。
リズムの取り方が変わることで、やりやすくなる部分もあればやりづらくなる部分も出てくる。
それにうまく対応出来ればよいけど、場数を踏んでいない方は戸惑うかもしれないね。
リズムが取りづらい部分においては、練習とのテンポのズレを把握しておかないと、そこで揃わなくなってしまいそうですね。
また、演奏が早くなればなるほど、演奏自体の難易度は高くなる。
練習でギリギリ弾ける程度のものであれは、本番でのテンポについていけなくなることもある。
そうなると、演奏のクオリティは確実に下がってしまうんだ。
テンポが早くなると、ボーカルは呼吸のタイミングが乱れるし、ギターやベースの人は運指が間に合わなくなるし、ドラムの人は正確なビートを刻むのが難しくなるかもしれませんね。
そうだね。
だからこそ、意図的でないのなら「ライブだから」「盛り上がるから」という理由で済ませるのではなく、練習と同じかわずかに早い程度のテンポアップに留めておきたいね。
冷静さを持ちながら熱くなろう
でもライブ中の盛り上がったり、熱気を帯びた会場の雰囲気だとついついアドレナリンが出てしまいますね。
会場の雰囲気を感じ取ってモチベーションや盛り上がりを上げていくことは、とても良いことだと思う。
それに応じることでライブの一体感も上がっていくと思うしね。
大切なことはそれとは別次元での冷静さも保っておくことだ。
それが難しいんですけどね。
そこはもう日頃の練習のリズムをしっかりと体で覚えること、あとはステージに立ったら勢いだけに任せずに冷静にリズムを捉えること。
そして何より、ライブでも冷静さを持つことを意識しながら場数を踏むことが重要だ。
「気持ちは熱く、でもリズムは冷静に」を心がけて、ライブを頑張ってほしいね。
◆まとめ
今回の講座『ライブ本番で演奏のテンポが早くなる理由とは?』
- ライブ本番ではついつい演奏のテンポが早くなってしまう。それは心身が興奮状態になり、体内のリズム感が狂ってしまうから。早くなることはあっても、遅くなることはまずない。
- 本番では多くの人前で演奏したり、練習よりも激しく体を動かしたり、緊張してしまったりと練習とは異なる環境にある。それによって心拍数が上がってしまう。
- リズムが早くなることは一概には悪いこととは言い切れないが、練習とは異なりイレギュラーな状況を作り出してしまうことにもなり、演奏に良くない影響を与えることもある。
- ライブ中に盛り上がってテンションが上がるのは非常に良いこと。日頃の練習でリズムをしっかりと体で覚え、「気持ちは熱く、でもリズムは冷静に」を心がけよう。