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演奏技術編4日目:一歩上のストローク(バッキング)を -前編-
ギターを演奏していて、ほぼ必ずといっていいほど出てくるのがストローク。いわゆるバッキングですね。
ストロークは前回、前々回で取り上げたピッキングの強弱、ピッキングのアップ/ダウンが密接に関わってきます。
更に、それ以外にも気を配る点も出てきます。
今回はストローク(バッキング)のポイントについて紹介します。
たかがストローク、されどストローク
ストローク(バッキング)というのは、コードを押さえて複数の弦を同時に鳴らす、ギターにおいては非常にポピュラーなテクニックです。
しかし、たかがストロークなどと甘く見ていてはいけません。
ストロークは様々な要素が絡み合う、実に奥深いテクニックなのです。
ポイントは「強弱」「アップ/ダウン」「リズム」「早さ(キレ)」「鳴らし方」「運指」
ポイントとなるのは、主に6つの要素です。
- 強弱
- アップ/ダウン
- リズム
- 速さ(キレ)
- 鳴らし方
- 運指
ストロークの強弱
ストロークの強弱についてはピッキングの強弱と基本的には同じ内容です。
ただ、複数の弦をかき鳴らすストロークでは強弱の差がより顕著になります。
単音のピッキングよりも気を使う必要があるのは当然です。
アップ/ダウン
ストロークのアップ/ダウンで重要になるのが「空ストローク」です。
オルタネイトストロークといって、表拍をダウンで、裏拍をアップで弾き、弾かない場合は空振りします。
(拍が8ビートか16ビートかは曲によって判断してくださいね)
空ストロークを用いたオルタネイトストロークをすることで、リズムを取りやすくなり、演奏に「ノリ」が出てきます。
必ず身に付けるようにしましょう。
リズム
ここでいうストロークのリズムとは2つあります。
一つは刻みの正確さ(ビート)と、拍の合わせ方(タイミング)です。
ビートはストロークのリズムがドラムやベース、メトロノームなどが作るリズムに合っているか、バッキングが等間隔で刻まれているかについてです。
そして、タイミングはどの瞬間を拍に合わせるタイミングにするのかということです。
例えばCメジャーのコードをダウンピッキングで弾く際に、以下のようなタイミングが存在します。
- 拍に最初の弦を弾くタイミングを合わせる
- 拍に最後の弦を弾くタイミングを合わせる
- 拍に途中の弦を弾くタイミングを合わせる
これらはほんのわずかな一瞬です。
しかし、このわずかなタイミングの差でも、繰り返しストロークすることで、演奏の「ノリ」に影響してきます。
拍に最初の弦を合わせるのは、一番あわせやすいですが、若干後ノリになります。
一方、最後の弦に合わせようとすると若干ですが前ノリになります。
途中の弦を拍に合わせようとすると、ナチュラルなノリにはなりますが、リズムの正確性ではアバウトになります。
もちろん、これが精密にこなせるほど人間は正確無比ではないのが普通ですが、そのような点を認識しておくだけでも、ストロークへの取り組み方が大きく変わると思います。
速さ(キレ)
ストロークのスピードやキレも、重要なポイントです。
ストロークスピードが速ければ速いほど、弦同士が近いタイミングで音が鳴るため、キレのあるバッキングになります。
また逆にゆっくりストロークすると、落ち着いた音になるため、こちらも良く使われます。
ストロークスピードが遅いバッキングはもっさりして聴こえます。
そのため、基本的には意図的にゆっくりストロークする場面以外は、なるべくキレよく弾くようにすると、疾走感とノリがよくなります。
鳴らし方
ストロークは複数の弦を同時に弾くため、鳴らし方もとても重要です。
ストロークフォームを見直して、本来鳴らすはずの弦が鳴っていないということがないように気を配りましょう。
コツとしては、アップとダウンでストロークの振りをちょっと変えることです。
同じようにアップ/ダウンしていても、実は全く同じ振りではありません。
練習時は、アップストロークだけの練習、ダウンストロークだけの練習をして、鳴らし方を体に覚えさせましょう。
運指
最後のポイントとして挙げるのは、「運指」です。
簡単にいえば、ストロークコードの切り替えのスムーズさ、スピードです。
例えば、8ビートで1小節ごとにコードが変わる場合に、最後のストローク時を弾かない、またはコードの切り替えを行っている最中で、ちゃんとしたコードを弾いていない・・・というケースがあります。
移行する次のコードにもよりますが、出来るだけ瞬時に指の配置を変えられるように日々練習が必要です。
最後の音がちゃんと弾けていると、疾走感やリズム感を維持したまま、次の展開に移れるため、聴いていてノリがよく感じられます。
この講座のポイントはココ!
ストローク上達のポイントは「強弱」「アップ/ダウン」「リズム」「早さ(キレ)」「鳴らし方」「運指」である。
ストロークのアップ/ダウンでは空ストロークが重要になる。
表拍はダウンで、裏拍はアップで弾いて、弾かない場合は空振りして、表裏でダウン/アップがずれないようにしよう。
ストロークスピードが速ければ速いほど、弦同士が近いタイミングで音が鳴るため、キレのあるバッキングになる。
意図的にゆっくりストロークする場面以外は、なるべくキレよく弾くようにしよう。