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音作り編9日目:マルチエフェクターの使用について
前回はコンパクトエフェクターについて紹介したため、今回はマルチエフェクターの使用について紹介していきます。
マルチエフェクターの使用をオススメするケースは、大体以下のようなケースです。
- 複数の音を使い分けたい
- 歪み、空間、イコライザなど複数のエフェクターを併用したい
- 複数のコンパクトを揃える費用がない
- 一括で1つのエフェクターで管理したい
これらのケースでなぜオススメなのかは、今までの『「コンパクト」・「マルチ」どちらのエフェクターを選ぶべきか』、『コンパクトエフェクターの使用について』の講座で説明してきているので省略させて頂きます。
今回はマルチエフェクターの使用に関して焦点を当てていきたいと思います。
マルチエフェクターの音作りは難しい
マルチエフェクターの音作りは、ある人によっては簡単ですが、多くに人にとっては難しいです。
マルチエフェクターはたくさんのエフェクターの集合体です。
そのため、それぞれのエフェクターの特性への理解や、音作りの完成系のイメージが必要不可欠です。
その部分に自信がない方や初心者ギタリストの方にはあまりオススメできません。
頭でイメージした音に近づけていく
マルチエフェクターで音作りをする際は、設定を変えながら音を試していくというより、完成した音をイメージしながら、頭の中で構成を考えて、設定を行っていく手法が主となります。
イメージした音にどのエフェクターが使われているかを具体的な見当をつけられないと、マルチエフェクターでの音作りは非常に効率が悪く、精度を安定しません。
その意味で非常に玄人向けなのです。
安易な期待で導入するとつまづく
実際に、いろんなライブやセッションでマルチエフェクターのギタリストさんの演奏を拝見しても、しっかりと使いこなせている方というのは正直、あまり見かけません。
(自分も100%は使いこなせていないでしょう)
単純に「便利そうだから」「安いから」といった安易な理由で導入すると、うまくいかずにつまづくことも多いです。
腰を据えて、しっかりとエフェクターと向き合う気持ちが重要ですね。
音作りのイメージのコツ
ここでマルチエフェクターでの音作りをどのように進めていくのかを紹介したいと思います。
これは自分の考える手法なので、参考程度になればうれしいです。
1.音の完成系をイメージする
これは何度も伝えていますが、音の完成系を出来るだけ細かくイメージします。
歪み具合や響き具合、音の抜け、湿り具合、特殊なエフェクトを使っているかなど。
考えがまとまらなければ、メモに書き出していくと良いと思います。
2.エフェクターを選定していく
歪み系
- クリーンのイメージを残したい
- クランチ
- 乾いた硬い音にしたい
- クランチ、ブルースドライバー&リアピックアップ
- 湿り気の高いしっとりした音にしたい
- JC120&オーバードライブ弱
- パワーを持ったまま歪ませたい
- オーバードライブで歪み強め
- 音を壊して歪ませたい
- ディストーション
空間系
- 響きはあまり意識しない
- リバーブ弱
- 空間的な広がりを出したい
- リバーブ強、ディレイ弱
- 反響させたい
- ディレイ強
音質系
- 音がキンキンする
- イコライザ調整、リバーブ
- 音が重たい
- イコライザ調整
- 音に厚みをつけたい
- コーラス
- 音を伸ばしたい
- コンプレッサーでサスティーン
実際はもっといろいろ考えながら音作りを進めますが、大体の手順としては、歪み系→空間系→音質系という順番に進めていくことが多いです。
歪みで原型を作って、空間系で味付けして、音質系で調整をします。
アコースティックシミュレーターやフランジャーなど、音を変化させるものは最初にやります。
スライサーやトレモロなど音にアクセントを加えるのは最後に設定することが多いです。
音の種類を変えたい場合は、アンプシミュレーターを使用すると良いと思います。
各エフェクターの効果を理解することが第一歩
音作りの手法は、人によって様々だとは思いますが、作りたい音にどんなエフェクターを使っているのかを考える作業は、どこかで行っているはずです。
どんなエフェクターがどういう働きなのか、どういう場面で使うのが効果的なのかを理解するための知識・経験が必要不可欠となります。
コンパクトエフェクターであれば、使えるエフェクターが限られるため、その選択肢も少ないですが、マルチエフェクターの場合はそれこそ無数の組み合わせがあります。
それは音作りの幅を広げるプラスの要素であり、迷な音作りをさせてしまうマイナスの要素でもあるのです。
マルチエフェクターで音作りをする時には、そのことを心に留めておきましょう。
この講座のポイントはココ!
マルチエフェクターの使用をオススメするケースは、主に「複数の音を使い分けたい」「歪み、空間、イコライザと複数のエフェクターを併用したい」というケースが主。
曲中に音を変える場面が多いギタリストには大いに重宝します。
マルチエフェクターはたくさんのエフェクターの集合体のため、各エフェクターの理解や、音作りの完成系のイメージが必要不可欠。
イメージした音にどのエフェクターが使われているかを具体的な見当をつけられるようにしよう。
マルチエフェクターの音作りの組み合わせは無限大。
それゆえ、しっかり使いこなせないと迷な音作りをさせてしまうマイナスの要素でもある。
しっかり腰を据えて、音作りと向き合おう。