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音作り編13日目:押さえておきたい基本!歪みギターの音作りのコツ
エレキギターの音作りにおいて、花形とも言えるのがオーバードライブやディストーション、ファズといった歪み系のエフェクトです。
バンドサウンドでは基本とも言えるこの歪みですが、歪みの原理を理解していないと音作りに失敗しやすいのもまた事実です。
そのため、今回は歪みの原理から、音の特性、音作りでのコツや注意点などを紹介します。
音が歪む原理とは
アンプやエフェクターでGAIN(ゲイン)やDRIVE(ドライブ)と言ったツマミを回せば、歪んだ音を出すことが出来ますが、その原理についてはご存知でしょうか。
音を歪ませるということは、「音を破壊する」という意味です。
ギターが拾った音の信号を増幅させて、その音の波形の上下を回路を通過できるレベルの限界で切り取ること(クリッピング)により、音が潰されて、歪みサウンドが出来上がるのです。
クリッピングされた音は一定のレベルが保たれるため、歪んだギターの音は減衰することなく伸びが良くなります。
覚えておきたいGAINとVOLUMEの意味
歪みの音作りをする際に使用するツマミは、主にGAIN・DRIVEのツマミと、VOLUMEのツマミを操作することになります。
思い通りの音を作るには、両者の意味・特性を覚えておく必要があります。
GRAIN・DRIVEのつまみは、歪みを強くするという印象がありますが、やっていることは「入力信号の増幅」です。
入力信号を増幅させることで、音がクリップしやすくなるため、歪みが強くなります。
一方で、VOLUMEのツマミというのは、アンプやスピーカーから出てくる音量をコントロールします。
つまり、GAIN・DRIVEのツマミは、ギターからの入口(INPUT)を、VOLUMEのツマミはスピーカーへの出口(OUTPUT)を制御するイメージで良いと思います。
音を歪ませることによる影響
歪んだ音というのは、ギタリストにとって非常に魅力的であり、しっかりと作られたドライブサウンドはリスナーにとっても感情を揺さぶられます。
しかし、音を歪ませるということは、音を破壊するということでもあり、それに伴い注意するべき点も増幅させてしまい、主に下記のような影響が生じます。
音の抜けが悪くなる
音が破壊されることにより、聴く側にとっては音が聴き取りにくくなります。
これは音割れしたスピーカーと音割れしていないスピーカーで、前者の方が聴き取りにくいのと同じ原理です。
音の抜けが悪くなるため、他のパートの音にかき消されてしまうことも増えるので注意が必要です。
ピッキングニュアンスが鈍くなる
音の強弱をある一定のラインで切ってしまうため、強く弾いても弱く弾いても、それが演奏に反映されにくくなります。
歪みが強くなるにつれ、ピッキングの強弱が反映されづらくなりますので、ピッキングニュアンスを活かした演奏を志向している場合には歪み具合には気を配りましょう。
ノイズや不快音が乗るようになる
音を歪ませるにつれ、信号が増幅される関係でノイズが乗りやすくなりますので、ノイズ対策が必要になります。
また、行き過ぎた歪みはリスナー側からしたら耳に痛い雑音と捉えられてしまう可能性もあります。
音作りの基本は「物足りない歪み」
最後に自分が考える歪み系音作りのコツを紹介したいと思います。
一言でいうのであれば「物足りない歪み」の一言に尽きます。
歪んだ音というのは、実は自分が聴こえている以上にライブハウスやイベントなどのリスナー側には歪んで聴こえているのです。
自分としてはオーバードライブ程度の歪みだと思っていても、お客さんからはディストーション級で音圧が無くなってしまっていてギターソロはともかく、アルペジオや和音などは何を弾いているのか分からない・・・ということもありがちだからです。
そのため、自分が理想だと思った歪み具合を実現出来たら、そこから一段二段歪みレベルを落とした方が現実的には良い音づくりとなるケースが多いです。
GAINではなくVOLUMEを上げよう
ライブハウスや屋外イベントなどでは、いつもの練習スタジオより広いステージ・空間でのライブとなります。
そのため、音をより遠くまで広げようと、VOLUMEと一緒にGAINまで上げてしまいがちですが、そこはぐっとこらえるのが大事なコツです。
GAINを上げても歪みの量を増やすだけで、お客さんが聴き取ることの出来る実質的な音量はむしろ減ってしまいます。
歪みは控えめ、VOLUME多めというのが、音圧を減らさず歪んだサウンドを実現することが出来るので、歪み系の音作りの基本と言えます。
この講座のポイントはココ!
音を歪ませるということは、「音を破壊する」という意味。音の波形の上下を切り取ることでクリッピングさせて音を歪ませる。
GRAIN・DRIVEのツマミは「ギターからの入力信号の増幅」、VOLUMEのツマミは「アンプ・スピーカーへの出力音量」を意味している。
音を歪ませることで、音の抜けが悪くなったり、ピッキングニュアンスが鈍くなったり、ノイズが乗ったりといった影響も出てくる。
自分が物足りないと思っているくらいの歪み具合の方が、音の芯も残るし、お客さんの耳に綺麗に届きやすい。