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20日目:メロディのテンポが決める曲の世界観
メロディの雰囲気を決めるには前回紹介した「ドレミの音の使い方」と「メロディのテンポ」が重要となってくる。 今回は「テンポで決めるメロディ作り」を紹介しようと思う。
テンポでもメロディの世界観を決めることが出来るということですね。 よろしくお願いします!
メロディの音数は曲の表情を変える
テンポといっても、BPMの早い遅いという話だけでなく、音数・頻度が凄い重要になってくるんだ。
例えばワンフレーズを4小節として、片方は全音符4つ、もう片方が4分音符をつなげていったとしよう。
(下図を参考)
口ずさんでみるとどう?
なんだか全音符だけの方は、穏やかで静かな感じ。
4分音符をつなげた方は、リズミカルで賑やかで疾走感がありますね。
思わず縦ノリしたくなる感じ。
まさしくその通り。 このことからメロディの音数を変えることは、たとえ音の高さが同一であっても、曲の表情を大きく変えることが分かるね。
それぞれの音の長短を変えることで曲の鼓動を変える
今度は、4小節の音数は16(4小節目は全音符)で、音の長短を変えたら、どうなるか試してみよう。
音数はどちらも16。あとは音の長さの構成を変えることがどんな影響をもたらすだろうか。
(下図を参考)
前者は、なんだか素朴で青春っぽい感じですね。 親しみやすくて、誰もがリズムに乗せそうです。
後者は、跳ねるようなリズムでなんだか奥深い世界観って感じ。 シンプルなリズムの前者と違って、こっちはなんだか壮大だったり透明感ある曲に合いそう。
確かに後者の方が複雑な印象を与えるね。 このように音の長短を変える事も曲の性格をガラリと変えるんだ。 ちなみに、一見すると後者の方がカッコイイ印象を受けるかもしれないけど、シンプルなリズムの方がカッコイイパターンもたくさんある。 「複雑=奥深い、カッコイイ」と結び付けないようにしようね。
メロディのテンポの特徴
今まで紹介した二つの内容で、音のテンポによって曲の雰囲気を演出できることは分かったと思う。 今度は、さまざまなメロディのテンポがもたらす曲の雰囲気を紹介する。 実際の作曲では、メロディの構成や伴奏といった様々な要素により曲の世界観は決定するので、あくまで参考としてとらえてほしい。
- 一定のリズムが続くメロディ
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一定のテンポで推移するメロディは、BPMがゆっくりした曲なら落ち着いた雰囲気になり、早めの曲なら縦ノリの疾走感を演出する。
例:いきものがかりの「笑顔」やアブリルラヴィーンの「Girlfriend」【youtubeで確認する】
いきものがかりの「笑顔」
Avril Lavigneの「Girlfriend」 - 裏拍を多用するメロディ
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裏拍を多用するメロディは、伴奏も裏拍を強調するようなリズムであれば、跳ねるような小気味の良い曲になる。 伴奏が壮大なイメージであれば、透明感のあるイメージを強調する。
例:ラルクアンシエルの「STAY AWAY」、miwaの「ヒカリエ」【youtubeで確認する】
miwaの「ヒカリへ」 - 長く伸ばす音を多用するメロディ
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音を長く伸ばすと、曲に広がりや伸びやかな世界観を印象づけることが出来る。
またゆっくり目のテンポの曲の場合は、だんだんと感情が膨れ上がっていくのを表現できる。
音程の高低と、メロディのテンポで立体的に世界観を表現しよう
メロディ作り編で説明してきたように、メロディによって曲の世界観は大きく変わる。 また人が好きな曲となるのか、そうでない曲となるのかはメロディに大きな比重がかかるもの。 自分の作りたい曲の景色をイメージして、それに近づけるメロディ作りが大切だ。
音程による音の高低と、ドレミが持つ各音の特色、そしてメロディのテンポといった要素を立体的に組み立てることでメロディ作成の精度は大きく向上する。 メロディ作りにはひらめきや発想がとても重要ではありますが、それをより具体的に実現するメロディ作り理論も同じく重要であると認識して、日々の作曲ライフに生かしていただけたらとても嬉しいです。
◆まとめ
今回の講座『メロディのテンポが決める曲の世界観』
- メロディの音数を変えることは、たとえ音の高さが同一であっても、曲の表情を大きく変える。
- 音数が変わらなくても、メロディの音の長短を変えれば、それによって曲の雰囲気はガラッと変わる。
- 曲の世界観や雰囲気、さらにはその曲が気に入るかどうかはメロディに大きな比重がかかる。
- メロディの音程の組み合わせと、リズムや音数の組み合わせを活かして、立体的な曲作りが出来るようになろう。