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17日目:理論で作るメロディ-コード外音編-
ハルさん!
前回の「メロディを作る-コード内音編-」を実践したら、メロディ作成がはかどるようになりました!
メロディって本当に理論で作れるんですね!
それはよかったね。
メロディがどういうように成り立っているかの作曲理論を身につけると、それが発想力に活きてくるからね。
今回の「メロディの作り方-コード外音編-」では、前回の内容を理解していることが重要だ。
コードの外音とは?
前回でもちょっと触れたけど、コードの外音とは「コードの構成音ではない音」のこと。
例えばCのコードで言えば「ド、ミ、ソ」以外の全ての音のこと。
これには「ド#、ソ#」も含まれる。
外音は安全な音ではない
外音はコード構成音を含まないため、使いこなせるとメロディライン作りの自由度が格段に広がる。
しかし一方で、不協和音になったり、何か物足りない響きになることもある。
そういう意味では、内音のみを使用したメロディと比べると、若干不安定な要素を持っている。
とはいえ、メロディ作りにおいてはこのような不安定さも有効利用することが多々あるので、そんなに臆することではない。
スケール上の外音であれば不協和音になりづらい
外音を使っていても、曲のスケール(音階)上にある音を使っていれば、不協和音になることは少ない。
またもし不協和音になっていても、他のキーを使った場合と比べるとあまり違和感を感じない。
ただし、スケール上にない外音を使った場合には耳障りになる音になる可能性が上昇する。
例えば、Cメジャーで「シ♭」を使うのと、「ド#」を使うのでは印象が大分異なる。
後者の方は耳障りといえる響きになる。
外音を使って作ってみよう
とりあえず外音も取り入れて曲を作ってみる。
作曲は机上で学ぶより、実践を繰り返す方が効率的だ。
今回使用するコード進行は、前回と同様「カノン」のコード進行。
曲名は「散歩」。
Point1:内音と内音を外音で繋ぐ
1小節目を見てみるとド-レ-ミ、ミ-レ-ミとなっている。
また2小節目もレ-ド-シ、シ-ラ-シとなっている。
耳にしてみると違和感も感じなくスムーズなメロディだ。
このように内音と内音を外音で繋ぐようにすると、スムーズなメロディになる。
前者のようにスケールを駆け上っていく音は「経過音」、行って戻ってという音を「刺繍音」という。
別に覚える必要はないが、そういう用語もあるというレベルの話。
Point2:小節と小節のつなぎ目を外音で繋ぐ
3小節目と4小節目の繋ぎ目を見てみると、ファ-ミとなっている。
これはAmの外音である「ファ」を次の小節のEmの構成音である「ミ」に繋げている。
外音は次の小節への繋ぎとして使用すると、スムーズに次の小節に移ることが出来る。
例えこの響きが多少不協和音気味でも繋ぎの音であるため、その音自体に聴かせる意味が薄いため、聴いている側からは違和感を感じづらい。
Point3:4度と7度は不協和音のモト
次はちょっと意図的に不協和音のような響きを演出してみた。
ポイントは5小節目のシの音と、6小節目のシ-ファの繋ぎ。
Fのコードに対して、すごい不安定な響きだ。
実は4度のコードに対しての7度の音、また7度の音を使用しているコードに対しての4度の音は、相性が悪く、不協和音になる。
だから、Gのコードに対してのファの音も同じようにちょっと違和感を感じる響きだ。
不協和音を有効活用する
とはいえ、この4度と7度の不協和音は有効活用すると、曲に不安や悲しみ、不気味な感じとか、ちょっとユニークな印象を与えることが出来るので実はとても頻繁に使われている。
曲のアクセントになるし、感情的な曲を作りたい場合はこの不安定さ、違和感が必要になることも多い。
またメジャーセブンスコードは、コード自体に不協和音となる音で構成している。
(G7の構成音は「ソ・シ・レ・ファ」)
不協和音自体が、作曲では表現の手段と覚えておこう。
ただし、あまりに不快な響きを強調すると曲が壊れてしまうので、そこだけは気をつけよう。
Point4:安全な音
Point3で説明した不協和音になりがちな4度・7度の音に対して、どのコードでも(但しスケールに則ったコードの場合)安定した響きを出せる音がある。
それが、7、8小節目で使用している2度、3度、5度、6度の音だ。
(Cメジャースケールでは、レ・ミ・ソ・ラにあたる音)
これらの音の特徴は、隣接している音に半音の音がないことだ。
(3度は4度と隣接しているが、4度のコードと3度の音は相性が良い)
不協和音の原因は、4度と7度の音の組合せにある。
だから、それを使わないでメロディを作ると、非常に安定した響きのメロディになる。
実践を繰り返して、自分だけのメロディ理論を
コードの内音、外音にスポットを合えて、メロディ作成理論を説明してきたが、これはあくまで机上の理論でしかない。
あとは自分で実践を繰り返して、たくさん失敗して、たまには成功してと試行錯誤をし、自分だけのメロディ理論を構築していってほしい。
そうなってしまえば、自分が作りたい世界観をメロディとして表現出来るようになる。
メロディや音の性質を知識として覚えるのではなく、理屈・感覚で理解して自在に音を扱えるようになった時に、本当の意味でのメロディ作りが始まる。
その時はきっと、今までよりはるかに作曲が楽しくなっているはずだ。
◆まとめ
今回の講座『理論で作るメロディ-コード外音編-』
- 外音はコード構成音を含まないため、自由度が広がる一方で、不協和音になることもある。
- 外音を使っていても、曲のスケール(音階)上にある音を使っていれば、不協和音になることは少ない
- スケールを駆け上っていく音は「経過音」、行って戻ってという音を「刺繍音」という
- 小節のつなぎに外音を使うと、その音自体に聴かせる意味が薄いため、聴いている側からは違和感を感じづらい
- 不協和音は有効活用すると、表情豊かな楽曲が作れるようになる